モラハラ夫との絶望的な結婚生活を送っていた蓮は、 　ある日突然理不尽な理由で離婚を言い渡され、家から出ていくことに。 　唯一心を許せるペットのインコ、シロと一緒に荷物を持って飛び出したものの、蓮は傷付き途方に暮れていた。 　そんな時、シロがゲージから逃げ出してしまい追いかけると、辺りが突然知らない場所に変わっていた。 　驚愕する蓮の前には天使のように背中から翼が生えた人々が。 　そして目の前に立っていた男が蓮に話しかけてくる。 　男────白夜は自分があの「シロ」だと名乗り、自分達の事情を語り始めた。 　獣人たちが暮らす世界はある日魔女の呪いによって同種族間で子供が生まれなくなってしまう。 　そのため、獣人達は異世界から「異邦人」と呼ばれる人間を一人選出し、連れてきて子供を産ませることで危機を脱しようとしているのだと。 　白夜達鳥人族も同様の手段で危機を乗り切ろうとしていた。 　白夜は異邦人を探すために蓮の世界に来てふさわしい人間を探していたそうだ。 　そして蓮を見つけ出したのだという。　 　しかし蓮は既に結婚していて、とても連れ出せるような状態ではない。挙句夫からのモラハラに苦しんでいたため、時期を見計らっていたらしい。 　白夜は蓮に想いを告げるが、蓮は不遇な結婚生活もあって白夜の申し出を断ってしまう。 　だが白夜はそれでも蓮の傷が癒えるまで待つと言って、里での穏やかな生活を保障してくれた。 　最初は信じられなかった蓮だが、白夜の優しさに次第に惹かれ始め────。